1.沿革
 里美共同模範牧場は、県内唯一の乳牛公共育成牧場として昭和37年より県内各酪農家から育成牛の預託放牧を開始し、以来、当会は厳しい立地条件の中、放牧による肢蹄強化と草地飽食での肋腹作りを基本とし、衛生対策の充実強化及び草地の維持管理など、預託者に満足頂ける放牧地を目指し運営努力を行ってまいりました。
2.事業内容
(1)衛生管理
 里美牧場では、健康検査を年10回(4月〜11月)実施し、預託牛1頭毎にヘマトクリット値、ピロプラズマ寄生度の検査及びダニ駆除のためバイチコールの投与等を行っております。特に6月〜7月はダニの発生が活発化する時期であるため月2回健康検査を実施しており、また、預託牛の内部寄生虫を駆除するためイベルメクチンの投与も行っております。その他、各種ワクチンの接種を適期に実施しています。
(2)草地管理
 里美牧場の放牧地はほとんどが急傾斜地であるため、ヘリコプターによる肥料や土壌改良剤の空中散布を実施し、作業の効率化と採草量の増加に努めております。採草地の管理については、地元酪農家の協力を得ながら堆肥の散布、草地造成など行い、常に良質のサイレージを預託牛に給与できるよう努力しております。

 
3.その他
 預託牛の乳牛改良を図る目的とし、また、授精年月日の正確性を向上させ、分娩事故の軽減をはかるため平成19年4月より人工授精(AI)開始致しました。
 実施方法として、当会牧場では個体毎の発情発見は困難であるため、排卵同期化させるホルモン剤を使用したオブシンク法を用い、計画的な人工授精を実施しています。但し、受胎率の状況等によりイージーブリードも併用して行っております。
 人工授精経費については、技術料5,000円(2回までの授精料金)となり、凍結精液代は当会供給価格となります。なお、人工授精で2回以上不受胎の場合は、預託者と相談の上、まき牛を使用し不受胎の改善に努めております。
 今後は、より一層県下酪農家(預託者)の要望に応えながら、当会里美共同模範牧場の将来的な発展を図りたいと考えております。


※今後、当会における推奨牛を随時増やして行く予定です。