今、酪農生産者は、牛乳消費の減少が続いていることから、需要に見合った生産が求められ、19年度の計画生産は、引き続き減産型の計画生産が継続されている。
 牛乳飲用需要の減少から、酪農生産者は当年も前年からの減産型生乳計画生産の実施を余儀なくされており、中央酪農会議、関東生乳販連において販売基準数量の設定及び配分がされ目標数量が示される中、県酪連は前年度の目標数量に応じて会員に配分をした。
 減産型生乳計画生産の実施に加え、配合飼料等の価格高騰などが生乳生産費の上昇につながり、乳価交渉も取引乳価の現行価格以上の実現には至らず酪農生産者は厳しい状況にあります。
 これらの状況から、県酪連は計画達成に必要な独自の各種助成事業を構築し、計画生産の達成に努めております。牛乳の泌乳過程は神秘的なものであり、酪農経営は年間を拘束される厳しいものの、牛乳は酪農家のロマンをもって、そして自信を持って生産されるものであります。
 生乳需給の改善には「牛乳消費の回復」が重要であり、関係機関が一致協力しての牛乳消費拡大事業の展開による牛乳消費の回復が、減産型生乳計画生産の解消につながり酪農生産者の経営安定につながります。
 古くは、国策で酪農を奨励したものの、牛乳が余る状態が続いた時期もありましたが、牛乳の消費拡大運動は、昭和43年以降の飲用牛乳の消費停滞に対しての「茨城県牛乳愛飲運動推進協議会」の発足。昭和51年の中央における「牛乳PR協議会」そして、昭和53年の「全国牛乳普及協会」54年の「茨城県牛乳普及協会」の発足は、当初は県民、特に農山漁村地域住民の体位向上と併せて酪農の発展を図るためとし、以来、一貫して牛乳・乳製品の消費拡大と知識普及事業を推進し、国民、県民の健康維持増進と酪農乳業の発展に努めてきたものであります。
 現在、牛乳の消費拡大運動は、「3−A−Day」運動と「牛乳に相談だ」キャンペーンにより行われておりますが、このキャンペーンは各々数年前に始まったものであります。各々の基本が牛乳・乳製品の消費拡大運動の一環として展開されておりますが、その内容は次のとおりであります。
○「3−A−Day」運動とは?
 (社)日本酪農乳業協会(Jミルク)が平成16年3月から実施する「3−A−Day」運動は、牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品を,1日3回又は3品摂取することにより少ないエネルギーで食生活が改善され、栄養バランスの良い食事になる簡単で手軽な健康習慣を提唱するものです。
 

 
○「牛乳に相談だ」キャンペーンは、(社)中央酪農会議が平成16年7月から実施する「牛乳に相談だ」キャンペーンは、「3−A−Day」運動と3つのポイントで異なります。
 @「ターゲット」が異なります:「3−A−Day」運動のターゲットは生活者全体です。一方「牛乳に相談だ」キャンペーンは、10代男女、特に中高生をターゲットにしています。
 A「対象領域」が異なります。:「3−A−Day」運動は、牛乳乳製品全般を対象にしています。一方「牛 乳に相談だ」キャンペーンは、牛乳に特化しています。
 B果たす役割が異なります。:「3−A−Day」運動は、牛乳乳製品の比較的関心の高い層に対する運動です。「牛乳に相談だ」キャンペーンは、牛乳無関心層を牛乳好意・関心層へ導く役割です。
 「牛乳に相談だ」キャンペーンと「3−A−Day」運動の特性を踏まえ、各々を上手に組み合わせた活動を展開することで、より効果的な消費拡大事業を推進することが出来ると考えておりますが、その他の酪農理解醸成事業等を含めて、これらは酪農生産者の消費拡大拠出金により行われております。
 「牛乳の飲用実態/意識」に関する調査から、・最も牛乳が飲まれるシーンは「朝食」であり・最も牛乳が飲まれる場所は「自宅」であり・最も牛乳が購入されている場所は「スーパー」であり、中学生及び20・30代女性の牛乳飲用増加や今後の飲用意向で60代男女及び30代女性で高い調査結果は、◎牛乳は「家族」をきっかけに改めて「飲もう」と思う、生活スタイルと強い相関がある飲物である。のとおり、牛乳のイメージは「温かい家庭」にとけ込んだ「食育」としての位置付けと「家族団欒」が目に浮かびます。
 これらのことから、「牛乳に相談だ」キャンペーンは3年目に入り、キャンペーンの基本は変えないものの、実際の牛乳購入者である母親に購買意欲を促し、これまで以上に牛乳の購買量の増加(実需の増加)につなげることが柱になっております。
 今年度は、新たなキャンペーンロゴ「牛乳に相談だ。と思ったら冷蔵庫にないから買いに行こう。」を投入し、中高生やその母親層に実際の牛乳の購買を促し、牛乳の実需につながる取り組みに力を入れていくこととしております。
 牛乳普及協会が行う事業は、骨密度測定定着化、牛乳乳製品フェアー、地方催事各種コンクール等でありますが、県酪連職員が危機感を持って自主的に行う毎月19日の水戸駅前キャンペーンは、生乳需給の改善が「牛乳消費の回復」にあり、その回復が減産型生乳計画生産の解消につながり、酪農生産者の経営安定そして、酪農生産者の労苦が報われるものです。
 今後も、年末に予想される牛乳のペットボトル化による消費の増加期待とともに「食育の日」各月19日に行う駅前キャンペーンは、各々の内容やこれら調査結果を再確認し、「完全栄養食品」たる牛乳の消費拡大を更に意識をし、継続して実施してまいりますので、関係者の酪農業の状況と牛乳消費拡大活動についてのご理解をお願いいたします。