名誉賞を受賞した枝肉
 平成18年11月6日〜9日、茨城町の(株)茨城県中央食肉公社において、第17回県西肉用牛枝肉共励会が開催されました。この枝肉共励会は、茨城県西肉用牛肥育技術研究会会員の肥育技術の向上及び県西地域肉用牛の改良と振興を目的として実施しています。
 出品頭数は、7市町26名の生産者から和牛30頭、交雑種12頭、合計42頭が出品されました。11月9日に(社)日本食肉格付協会の「牛枝肉取引規格」をもとに「歩留等級」及び「肉質等級」の各項目について厳正に審査が行われました。
 和牛の部で見事名誉賞に輝いたのは、古河市の長島勝男氏の出品牛(父:第1花国、母の父:茂勝)で青森県産でした。成績は月齢34.8ヶ月、枝肉重量565kg、歩留基準値75.0、胸最長筋面積(ロース面積)66・、ばらの厚さ8.6p、BMSNo.11、BCSNo.4、単価2,702円、ロース芯の大きさ、脂肪交雑に優れさらには光沢、締まり、きめ等肉質良好ですばらしい枝肉でした。
 交雑種の部で最優秀賞に輝いたのは、古河市の羽部信男氏の出品牛で、枝肉重量531kg、BMSNo.6、単価1,669円でした。
 和牛の部に出品された30頭を見ますと、「A−5」が9頭(30%)、「A−4」が13頭(43%)で「A−4,5」率が73%という成績でした。前回の「A−4,5」率47%,前々回59%を上回っており,出品者の技術の向上が伺えます。
 一方、今回を含めて過去5回(第13回〜17回)にわたり出品された和牛総頭数147頭の産地を道県別で見てみますと、茨城県産33頭(22%)、栃木県28頭(19%)、岩手県20頭(13.7%)、鹿児島県15頭(10.2%)、北海道11頭(7.5%)、福島県9頭(6.1%)、大分県8頭(5.4%)、続いて青森県、千葉県となっております。この中で近年の特徴として、茨城県内産が占める割合が第13回では32%あったものが年々下がり第17回には17%まで減少し、逆に、鹿児島県産は第13回は4%に過ぎなかったのが、第16回は15%、第17回は27%と急激にシェアーを伸ばしてきていることがあげられます。

表彰式(名誉賞トロフィー授与)
 また、種雄牛別頭数を過去5回にわたり見てみますと、福栄25頭(17%)、平茂勝19頭(13%)、北仁10頭(7%)、北国7の88頭(5%)、美津福、金幸、明光4がそれぞれ7頭(4.8%)でした。第17回において最も多かったのは、平茂勝と金幸でそれぞれ5頭ずつ、続いて第1花国の3頭でした。
 現在、和牛生産のための子牛の供給不足が懸念され、特に茨城県内における和牛繁殖雌牛増頭対策が課題となっおります。順調に評価が高まり生産が拡大している“常陸牛”を今後さらにブランドアップし高いところで安定させていくためには、消費者に強くアピールできる生産体制が必要です。そのためには、茨城県で造成された優良な種雄牛と雌牛から生まれた子牛を茨城県で育て上げることが地域ブランドとして自信を持ってアピールできる最大の根幹になると思われます。当枝肉共励会の出品状況を分析すると県内産和牛子牛の供給という点で危惧される状況にあり、県内での和牛繁殖雌牛増頭をより一層推進する必要があります。
 また、県西地域は主要な“常陸牛”生産地であるにもかかわらず、食べられるお店が1店舗、買えるお店が18店舗と極端に少なく、消費者における認知度も非常に低い状況にあります。ブランド力向上においては地元消費者から県外へ波及していく効果も大きいと考えられ、また、地元の常陸牛への理解の高まりは、農家の生産意欲を大きくかき立てることから、生産地である地元県西地域でのPRを推進する必要があります。
 このところ各地の枝肉共励会では、県西管内農家の活躍が目立っております。10月25日から東京都中央卸売市場で開催された全国最大規模を誇る第47回農林水産祭参加全国肉用牛枝肉共励会では、やはり長島勝男氏が見事2度目の名誉賞受賞を果たし、続いて11月16日から埼玉県さいたま食肉市場で開催された第47回関東肉牛枝肉共進会では常総市の加藤朝巳氏が交雑種の部で最優秀賞を受賞しています。このような明るいニュースを受け、今後、県西地域における益々の肉用牛経営の振興・発展が期待されているところです。