平成6年に系統豚として認定されたランドレース種系統豚「ローズL−2」は、本県の銘柄豚肉「ローズポーク」をはじめとする高品質豚肉生産に必要なF1母豚生産のため、広く利用されています。
 系統豚の維持豚群は認定後、外部からは他の種豚を導入することなく、群内で世代更新を繰り返すため徐々に群内の血縁関係が近親となり、これによる弊害が現れて維持することが困難になるため「ローズL−2」は平成22年頃には維持が限界になることが予想されます。このため、茨城県畜産センター養豚研究所では、平成15年度から、「ローズL−2」の後継系統豚「ローズL−3(仮称)」の造成を開始しており、平成22年度には完了する予定です。

1.改良目標及び選抜方法
 造成完了時どのような能力を持った豚群にするか(改良目標)は、本誌第372号(平成16年12月号で紹介しましたが、再度記載します。
(1) 1日平均増体重(DG)は900g(体重30s〜105s,雄雌平均)
ローズL−2の認定時DGは842gで、これより58g改良することを目標としています。
(2) 背脂肪層の厚さ(BF)は105s到達時の体長の1 /2部位で1.6p
ローズL−2の認定時BFは1.92pで、これより0.3p薄く改良することを目標としています。しかし、近年枝肉市場ではあまり薄いBFは好まれないので、薄くなりすぎないよう注意して改良していく予定です。
(3) 1腹平均生産子豚数10頭
初産の平均生産頭数は約9頭であるので、これを1頭改良することを目標としています。
(1)〜(3)については105s到達後、総合育種価を算出し高いものを選抜します。
(4) 肢蹄が強健であること
種豚候補豚体重105s時に肢蹄の状態でスコアを付け、スコアの悪いものは除外します。
(5) 乳器は並び,形がよく,不正がないこと
1次選抜時(体重30s)に同腹中よいものを選抜し、105s到達後不良なものは除外します。
2.第1世代(G1)母豚の繁殖成績
(1) 産子数
1腹当たり分娩頭数(死産を含む)は非常に多く最高17頭であり、平均でも表1のとおり11.3頭でした。
表1 第2世代豚の頭数及び体重
(2) 生産頭数
生産頭数(死産を含まない)は最高16頭で、平均は表1のとおり10.2頭であり、すでに改良目標を達成しています。
(3) 育成率
3週齢までの育成率は96.8%であり、死亡した子豚は1腹平均0.3頭とかなり少ないものでした。
(4) 子豚の生時体重と3週齢までの発育
生時体重は最高2.22sであるが、平均1.46sでやや小さめでした。
 3週齢までの発育は順調で、平均6.11s、最高11.70sであり、母豚の泌乳能力の高さが窺われました。
(5) 繁殖指数
種雌豚産子検定の方法に従って、指数を計算したところ、合格率(80以上)は93.0%(40腹/43腹)で最高158.2、平均112.1で非常に高い結果でした。

3.豚ストレス症候群(豚リアノジン受容体1遺伝子(RYR1)検査)
 豚リアノジン受容体1突然変異型の遺伝子を持っている豚は、豚ストレス症候群(PSS)によりふけ肉(PSE)になりやすい。そこでDNA検査を実施し、この遺伝子を排除します。
 平成17年度、第1世代(G1)の種豚を検査したところ、雌豚3頭がこの遺伝子を持っていることが分かったため、第2世代(G2)ではこの3頭から生まれた子豚のRYR1検査を実施し、突然変異型遺伝子を持っているものは選抜しないこととしました。
 これにより、第3世代(G3)からは突然変異型遺伝子を完全に排除することができ、ふけ肉が発生しにくい豚群にすることができます。

4.まとめ
 1腹平均産子数はG2でほぼ改良目標に到達しており、平成22年度までには他の形質も目標を満たし、ローズL−2より能力が高く使いやすい後継系統が完成し、県内の養豚農家の皆様から広く利用していただけると考えております。