はじめに
 近年、県内でも飼料イネの作付は増加し、206ha(17年)となっています。面積が増加するにつれ、利用者である畜産農家からはその品質の安定を望む声が大きくなっています。
 一般に、サイレージ発酵には乳酸菌による乳酸発酵が必要とされます。しかし、飼料イネに付着している乳酸菌は少なく、中でも発酵効率の良いホモ型乳酸菌が少ないため、なかなか稲発酵粗飼
料の高品質化は困難でした。 「畜草1号」は(独)畜産草地研究所等で開発し、(株)雪印種苗から発売されている稲発酵粗飼料専用乳酸菌です。

写真「畜草1号」
 県では「畜草1号」を普及に移す成果として平成16年から、現地普及に努めました。
 その結果、県内各地で44.4ha(17年)に添加されるまでになりました。
 今回は、その添加効果についてお知らせします。

添加作業
 添加は、刈り取り調製時に行います。添加量は新鮮材料草1トン当たり5gで、水道水で凍結乾燥した粉末を溶かして添加します。
 埼玉県で開発した添加装置は、約3.5万円で取り付けられます。

分析結果より
 昨年度、飼料イネサイレージを対象とした草地畜産コンクールが開催され、28点を分析しました。うち8点が畜草1号を添加していました。
 ダイレクトで調製するフレール型専用収穫機の水分が他よりも高いものの、pHが下がっています。無添加のバインダーは他の収穫方式よりも梱包する密度が低く、pHが高くなっています。
 バインダーを除く3方式で、それぞれ何点か添加されていますが、いずれの方式でも添加区のpHが無添加区のpHよりも下がりました。
 発酵品質の指標の一つとなるpHは、低い方が良いとされています。乳酸菌を添加した方がpHが低くなる傾向があるため、添加効果は認められると判断しました。

最後に
今回は、有機酸分析をしていませんので、乳酸菌がどの位含まれるのかはわかっていません。しかし、無添加区に比べ添加区のpHは下がっていますので、乳酸生成量は増加していると推測されます。  以上、畜草1号の添加効果について述べてきましたが、サイレージ調製の基本は適期刈り取り、空気の排除、完全な密封です。  調製面(刈り取り時期、収穫機械体系等)からと、利用面(長期保存、嗜好性等)、そして経済面(添加コスト、廃棄ロス率等)に配慮して、畜草1号を上手に使って頂きたいものです。

フレール「添加装置の付いた専用収穫調製機」