茨城県畜産センター長 鹿志村 均
 この度の定期人事異動により、畜産センター長を拝命いたしました。
 畜産センターは、平成12年に石岡市(旧八郷町)に開設し、21世紀の茨城畜産をリードする研究拠点として整備されました。
 最近の農業畜産の状況につきましては、WTO農業交渉等により競争が進展する中、経営の一層の低コスト化合理化が求められているほか、担い手の減少や高齢化等により生産規模の伸び悩みなどで生産構造の変革の時期となっております。
 こうしたなか、茨城県では消費者とベストパートナーとなる茨城農業をキャッチフレーズとした茨城農業改革大綱を平成16年に策定し、18年3月には茨城農業・農村振興計画(いばらき農業元気アップ宣言)を公表し、食と農、人、地域が元気になり、力強いいばらき農業を創設しようとしております。畜産については、この中で園芸産地・畜産振興プロジェクトや環境にやさしい農業推進運動等により振興を図ることとしております。
 さて、畜産の現状でございますが、本県の銘柄畜産物であります常陸牛、ローズポーク、いばらき地鶏は、茨城全体の畜産物のイメージアップと消費拡大の牽引役として一定の成果に貢献しております。中でも、常陸牛は販売店や食べられるお店が年々増えております。
 また、家畜排せつ物法の完全施行により、従来にもまして地域と調和した畜産経営が求められているほか昨年6月に本県で発生した鳥インフルエンザについては、畜産物の安全安心への関心について高まりを見せたこと等課題が数多くあります。
 これらの課題に、適切に対応するため生産者や消費者の方々のニーズに常に耳を傾ける姿勢を持ち、全力で取り組んで参りますので関係各位のご協力、ご鞭撻をよろしくお願いいたしまして、就任のあいさつといたします。

茨城県畜産センター肉用牛研究所長 長塚 恵市郎
 この度、畜産センター肉用牛研究所長を拝命しましたのでよろしくお願いいたします。
 さて、肉用牛経営を取巻く情勢をみますと、枝肉市況や肉用子牛価格は堅調に推移していますが、繁殖雌牛頭数は減少基調にあり、肉用子牛の確保は、量的にも価格的にも不安を残すものとなっています。こうした状況の下で、肥育農家の方々には集団的に繁殖部門を取込んだ経営の多角化を進めたり、酪農家が受精卵移植を活用した大規模な和牛生産に取組む等肉牛生産基盤作りの新たな胎動が生じる等明るい話題も見られてきました。
 一方、本県の銘柄牛である「常陸牛」は、関係者が一体となって広報活動や販売対策活動に取組んだ結果、指定店舗数が大きく伸びる等知名度の向上とあいまってブランドとしての評価が一段と高まってきました。しかし、牛肉市場は、全国各地どこでも地域ブランドとしての銘柄牛肉の生産と販売に力を注ぐ等産地間競争は一段と激しくなっていることから、生産者の方々には、今後とも消費者の方々に安全でおいしい、そして、信頼される牛肉生産に一層励んで頂きたいと思っております。
 こうした肉用牛生産における課題に即して当研究所では、@常陸牛生産のベースとなる優良な種雄牛の作出、A遊休農地を活用した健康な肉用牛の増頭、B繁殖機能回復による不受胎牛の有効活用、C食味性の向上を追求した常陸牛生産方式の確立等の試験研究を行っております。これらの研究を進めるにあたっては、積極的に生産現場に出るとともに生産者の方々と一緒になって考え、地域と密着した研究として進めていきたいと考えております。
 当研究所での成果を通して、肉用牛の増頭、飼料自給率の向上、常陸牛の生産性の向上等肉用牛生産が抱える諸課題の解消に向け、微力ながら貢献したいと考えておりますので、関係各位のご協力・ご鞭撻をお願いします。
茨城県畜産センター養豚研究所長 林   隆
 この度、定期人事異動により畜産センター養豚研究所長を務めることになりました。宜しくお願い申し上げます。
 私は、県に奉職依頼、通算17年間、当時の養豚試験場に勤務し、種豚改良及び優良種豚の確保等を担当してきました。現在もこれらの業務は一部継続されていますが、組織名称は畜産センター養豚研究所に改名され、昭和45年に系統造成が開始され、現在ローズL−3へと造成が移行していることを思うと時代の流れを実感しました。 
 今年度の研究課題は、育種研究につきましては、ランドレースの系統豚、ローズL−3の系統造成と優良種豚導入による種豚改良であります。これらの試験研究成果は、茨城の銘柄豚肉である「ローズポーク」の生産性や品質の向上、県内飼養豚の更新に寄与できるよう行っています。また、飼養技術に関する研究ではストレスを軽減する飼養環境試験やレンコンを飼料添加することによる尿中排泄窒素量の低減試験など農家に普及可能な研究をします。レンコンの飼料添加試験は18年度新規試験で、霞ヶ浦周辺で生産されるレンコンの残渣をパウダー化し飼料に添加することで、レンコンのもつ植物繊維が尿量及び尿中の窒素量を低減させることが期待できます。
 当研究所は、県民の要望と期待を念頭に置いて試験研究に取り組み、職員一同努力して参りますので、今後とも一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。


茨城県県北家畜保健衛生所長 戸谷 孝治
 この度の定期異動により県北家畜保健衛生所長を拝命致しました。
 私は県北家畜保健衛生所勤務は13年ぶり2回目でございます。この間、家畜衛生に対する概念も大きく変化し、生産者保護の観点から、環境問題等地域との融和と安全・安心な畜産物を消費者に提供するという使命に期待が高まってきております。
 特に、昨年6月から発生が続いておりました鳥インフルエンザにつきましては、まさに集団発生と大規模経営における家畜防疫の難しさを痛感させられたわけですが、関係各位のご協力と消費者の皆様の冷静な対応によりまして、今回の大発生も沈静化の方向に向かっていると考えております。また、昨年度末から進めておりましたウィンドレス鶏舎に飼養されていた監視鶏の処理も4月21日に終了しましたが、このことによりまして、更に消費者や地域住民の方々にも安心していただけるとともに、全国一の養鶏県の再生に向けて弾みがつくものと思っております。
 私たちも、二度とこのような大規模発生を繰り返さないよう、検査及び防疫体制を充実させるとともに監視体制を強化して参ります。
 また、県北地域は全国有数の和牛の生産地域でもありますが、和牛繁殖雌牛は戸数・頭数ともに年々減少しております。本県が誇る銘柄牛肉「常陸牛」の素牛を県内で賄うことが出来る体制の構築が急務であると痛感していますので、繁殖農家の負担を軽減するために、放牧を取り入れた繁殖技術の普及・定着や肥育農家の繁殖牛導入の推進、酪農家と連携した繁殖牛の増頭対策と併せて、家畜衛生の立場からも放牧衛生の徹底と繁殖技術の高度化を重点課題として取り組んで参ります。
 今年度も豚コレラ予防注射の全面禁止や牛のヨーネ病の常在化への懸念等、問題が山積しておりますが、農家の方々が安心して畜産を営むことができ、安全でおいしい畜産物を消費者の方々に提供できますよう努めて参りますので、ご支援をよろしくお願い致します。