当協会では毎年(社)全国養豚協会(本年4月に日本養豚協会と改称)から委託を受け、8月1日を調査基準日として県内の全養豚生産者を対象にアンケート方式で養豚基礎調査を実施している。
昨年度の繁殖関係の集計結果は次のとおりである。
1.調査及び回収

調査方法 当協会が調査用紙を養豚生産者に配布・回収し、全国養豚協会が集計した。

回収戸数 417戸(回答337戸、無回答21戸、廃業59戸)から回収し、そのうち回答337戸を集計対象とした。
2.結果の概要

(1) 1発情期間の受精回数は人工、自然交配を含めて2回が最も多く、75.8%である。
(2) 人工授精の実施割合は18.3%であり、全国の28.9%よりはかなり低い。
(3) 自然交配が主流であり、人工授精の場合も自然交配と併用している。
(4) 年間分娩回数は2.1回未満が52.4%を占め、茨城県畜産経営技術指標(平成16年3月作成)の2.3回以上を上回る割合はわずかに5.9%である。
(5) 種雌豚の淘汰は産子数、受胎成績、老齢が3大理由となっている(複数回答)。
(6) 種雌豚の導入時の特に留意する事項は体型と血統である。血統の判明している種豚は安心して導入できるためと思われる(複数回答)。
(7) 種雌豚を1度に導入する頭数は10頭未満が多い。
(8) 種雄豚の淘汰時年齢は4歳が中心となっている。
(9) 種雄豚の淘汰理由では乗駕欲と老齢が2大理由となっている(複数回答)。
(10) 種雄豚の導入時の留意事項は雌と同様に体型と血統である(複数回答)。
表 集計結果
割合 (%)
(1) 発情期の基本交配・授精回数
回答数298
@1回 18.1
A2回 75.8
B3回 5.7
C4回以上 0.3
 合 計 100.0
(2) 人工授精
回答数290
@人工授精を行っている 18.3
A人工授精は行っていない 81.7
 合 計 100.0
(3) 交配・授精の方法
回答数289
@自然交配のみ 81.7
A自然交配と人工授精を併用 16.6
B人工授精のみ 1.7
 合 計 100.0
(4) 年間平均分娩回数
回答数269
@2.0回未満 20.8
A2.0〜2.1回未満 31.6
B2.1〜2.2回未満 26.0
C2.2〜2.3回未満 15.6
D2.3〜2.4回未満 4.8
E2.4回以上 1.1
 合 計 100.0
(5) 種雌豚の淘汰理由
@産子数が少ない 54.1
A泌乳能力が悪い 34.2
B受胎成績が悪い 52.3
C産子の肥育成績が悪い 26.3
D肢蹄が悪い 21.1
回答数266
E疾病 8.3
F老齢 53.4
Gその他 6.0
 合 計 255.6
(6) 種雌豚の導入時の留意事項
回答数269
@血統 55.8
A哺乳能力 26.4
B産子数 26.0
C肢蹄 38.3
D体型 59.9
E群単位で導入可能 8.2
F疾病 11.9
G選べない 10.4
Hその他 4.8
 合 計 255.6
(7) 種雌豚の導入頭数
回答数267
@10頭未満 83.9
A10頭〜20頭未満 12.7
B20頭〜30頭未満 2.2
C30頭〜40頭未満 1.1
D50頭〜100頭未満 0.0
E100頭以上 0.0
 合 計 100.0
(8) 種雄豚の淘汰年齢(満)
回答数266
@2歳未満 1.1
A2歳〜3歳未満 18.8
B3歳〜4歳未満 43.2
C4歳〜5歳未満 25.6
D5歳以上 11.3
 合 計 100.0
(9) 種雄豚の淘汰理由
回答数267
@体型が悪い 18.7
A肢蹄が悪い 27.0
B産子数が少ない 19.5
C産子の発育が悪い 12.0
D産子の枝肉成績が悪い 13.9
E乗駕欲が悪い 64.0
F精液性状が悪い 12.0
G疾病 8.6
H老齢 55.8
Iその他 6.7
 合 計 238.2
(10) 種雄豚の導入時の留意事項
回答数271
@血統 55.0
A産肉検定成績 11.8
B体型 71.2
C肢蹄 36.2
D疾病 9.6
E雄らしさ・活気 52.8
F選べない 9.2
Gその他 3.0
 合 計 248.7
 最後になりましたが、調査にご協力いただいた生産者の皆様方に紙上を借りて厚くお礼申し上げます。