里美地域の飼料イネへの取り組みは、平成14年から始まりました。村の水田農業確立対策会議で検討している中、水田をそのまま生かすことができる作物として飼料イネが取り上げられ、3戸の繁殖農家が取り組むことになりました。
 品種は飼料専用品種のクサホナミを中心に作付けし、従来の農作業との競合を避けるため、5月20日以降の田植、10月中旬以降の収穫としました。施肥量としては、10a当り元肥えとして堆肥1t、化成肥料はN・P・K成分でそれぞれ4kg施用し、省力化のため、田植以降は除草剤の散布のみとしました。収量は10a当たり乾物収量で1,140kgでした。
 収穫調製作業は、バインダーで結束せずに刈り倒し、稲ワラ収集用小型ロールベーラで梱包、ミニラップマシーンでラッピングしてサイレージに調製します。ラッピングは6層巻きとし、1,800mのラップフィルムで約35個ラッピングすることができました。
 ロールは10a当り約60個できました。小型ロールベーラでの作業は、バインダーで刈取後すぐのもの、1日予乾したもの、2日予乾したもので実施しましたが、黄熟期まで達した稲は乾燥が速くサイレージに調製する場合は予乾しないほうが品質の良い物ができました。また、バインダーで刈り倒して予乾した場合、イネが柔らかく重なるため、ロールベーラでイネを拾い上げる際に集草部に絡みつきトラブルの原因となりました。
 梱包したロールの重さは、予乾したもので25kg、予乾しなかったものが35kg程度で、大きさは、径が50cm、長さが70cmで運搬機等を使えば高齢者でも1人で作業できるものでした。
 出来上がったサイレージは臭いも良く牛も喜んで食べるものができました(平成15年度の県草地コンクールで優秀賞受賞)。
 平成16年には県の元気アップ事業を活用し、共同で小型ロールベーラとミニラップマシーンを導入しており、牧草や稲わら収集にも機械を活用する予定で、今後地域的な広がりが期待されます。