牛海綿状脳症(BSE)問題を契機に、食の安全が国民的な問題となり、平成15年6月「食品安全基本法」が制定され、農林水産物の生産から販売にいたる全ての段階で、各事業者(生産者)は食品の安全性を確保するために必要な措置を適切に行う責任と義務をもつこととされました。
 そこで、本県では消費者に信頼される安全な畜産物を供給するため、国が定めた「飼養衛生管理基準」*1を基本に、衛生対策、環境対策、飼料対策及び動物用医薬品の適正使用等を盛り込んだ本県独自の「畜産物生産ガイドライン」を平成16年10月に策定しました。
 家畜の飼養者は、日常行っている衛生管理が、食の安全性確保、国民の健康の保護のために重要であることを認識するとともに、農場段階で「畜産物生産ガイドライン」を積極的に実践していただき、安全で安心な茨城ブランドの畜産物の供給体制が整備されるよう、家畜の飼養者のみならず畜産関係者が一丸となり取り組むこととしております。
 *1「飼養衛生管理基準」:家畜伝染病予防法に基づき定められた、家畜の所有者が遵守すべき基準
1. 畜舎及び器具の清掃又は消毒を定期的に行うとともに、家畜及び作業衣、作業靴等を清潔に保つこと。
2. 畜舎に出入りする場合には、手指、作業衣、作業靴等について、家畜の伝染性疾病の病原体がひろがるのを防止するために必要な消毒その他の措置をとること。
3. 飼料及び水に家畜及びねずみ、野鳥等の野生動物の排せつ物等が混入しないよう努めること。
4. 他の農場等から家畜を導入する場合には、当該家畜を導入することにより家畜の伝染性疾病の病原体がひろがるのを防止するため、当該家畜に異常がないことを確認するまでの間他の家畜と接触させないようにすること。
5. 他の農場等に立ち入った者がみだりに畜舎に立ち入らないようにするとともに、他の農場等に立ち入った車両が農場に出入りする場合には、当該車両の消毒に努めること。
6. 畜舎の屋根又は壁面に破損がある場合には、遅滞なく修繕を行うとともに、窓、出入り口等の開口部にネットその他の設備を設けることにより、ねずみ、野鳥等の野生動物及びはえ、蚊等の害虫の侵入の防止に努め、必要に応じて駆除すること。
7. 家畜を他の農場等に出荷する場合には、当該家畜が移動することにより家畜の伝染性疾病の病原体がひろがるのを防止するため、当該家畜の健康状態を確認すること。
8. 家畜の異常をできるだけ早期に発見することができるよう、家畜の健康管理に努め、異常が認められた場合その他必要な場合には、獣医師の診療を受け、又は指導を求めること。
特に、急性の伝染病が疑われる場合は、すみやかに家畜保健衛生所へ連絡すること。
9. 家畜の健康に悪影響を及ぼすような過密な状態で家畜を飼養しないこと。
10. 家畜の伝染性疾病の発生の予防に関する知識の習得に努めること。
11. 飼養家畜については、生年月日、移動履歴、飼料の給与履歴、動物用医薬品の投薬履歴その他の情報を記録し管理すること。
12. 牛乳・卵等の畜産物は、適切に管理し出荷すること。
また、「家畜の生産段階における衛  生管理ガイドライン」に基づく飼養衛生管理ができるような体制を目指し、安全で安心な  畜産物生産を行うこと。
13 家畜排せつ物については、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」(平成11年7月28日法律第112号)の管理基準に基づき、適正に管理し病原体の拡散を防止するとともに、その有効利用を図ること。

 なお、農場の現状把握と問題点を把握するため「衛生管理自己診断表」を併せて作成しました。この「衛生管理自己診断表」を用いて農場を定期的に点検し、農場の管理に活用してください。
 また、家畜保健衛生所及び地方総合事務所の職員が巡回を行いますので、その際はご協力願いますとともに、指導事項等については早期に改善されるようお願いいたします。
 「畜産物生産ガイドライン」及び「飼養衛生管理基準」のお問い合わせは最寄りの家畜保健衛生所又は地方総合事務所にお願いいたします。