本県の繁殖和牛頭数は、飼養農家の高齢化に伴い小規模農家の廃業や中規模農家の経営の縮小により年々減少を続けております。一方平場地帯においては僅かではありますが、新規参入者や酪農家の乳肉複合経営により増加傾向にあります。子牛相場は、我が国におけるBSE発生直後を除けば比較的安定的に推移しており、アメリカにおけるBSE発生以降は、更に高値となっていることから、増頭を目指す農家も出てきております。加えて全国的に繁殖和牛の減少傾向が続いている危機感から、県内でも肥育農家が一貫経営を目指す動きが見受けられます。 このような情勢のなか、今回八郷町農業協同組合の内部組織として、繁殖和牛研究会が設立されました。
 研究会の構成員は、建設業のかたわら繁殖和牛を導入する「新規参入農家」、酪農のかたわら繁殖和牛を導入している「乳肉複合経営農家」、肥育経営のかたわら繁殖和牛を導入している「一貫経営農家」で、いずれも今後平場地帯で取り組まれると思われる和牛繁殖経営のタイプが揃った形となっております。
 研究会の取り組む当面の事業は、畜産業振興事業で本年度の新規事業である地域肉用牛振興対策事業を活用し、肉用牛繁殖基盤強化対策事業として、優良繁殖雌牛20頭の導入、遊休農地活用放牧事業として、パイプ柵及び電気牧柵の導入、産性向上施設整備事業として、簡易牛舎・スタンチョンの整備などが計画されております。
 また、この研究会の事業の中には、肉用牛研究所や農業改良普及センターで普及を推進している遊休農地や林地を活用した放牧が含まれております。県北地域においては、電気牧柵を使った繁殖和牛の耕作放棄地放牧が普及し始めておりますが、平場地帯では数少ない取り組み事例となるものと期待されます。今後、研究会の協力を得ながら、土浦地域農業改良普及センターとともに、平場地帯での普及の足がかりとなる実証展示の場所としても利用させて頂ければと考えております。
 現在のこの研究会の構成員は3名ですが、今後賛同が得られれば会員の数を増やしていく計画で す。
 県では農業改革を推進するため、常陸牛など銘柄畜産物の生産を拡大し、これらを牽引役として消費の拡大を図っていく方針です。このためにも生産基盤である繁殖和牛の増頭が不可欠であり、今後八郷町のような集団が多く設立されることを 期待します。