先ほど、新治郡八郷町の茨城県畜産センターでトウモロコシによる細断型ロールベーラの収穫調整現地見学検討会(主催 茨城県草地協会)が開催された。
 当日は、どんよりとした曇り空であったが、熱心な酪農家をはじめ、関係機関の出席などで約50名が参加した。佐久一雄会長が、安全安心な粗飼料を効率的に楽に収穫調整でき自給飼料の生産拡大に寄与できる機械であるとのあいさつに続き圃場を提供いただいた矢口長彦センター長のあいさつ後直ちに実演会に移った。
 今回の機械を開発したのは、生研機構と農機メーカーとの共同開発であるが、そのねらいは、トウモロコシの収穫調整作業が2人で楽にでき、夏の炎天下でも、サイロ詰めの重労働から開放され、出来上がったサイレージが高品質となること等である。
 開発された機械は、@細断型ロールベーラとA細断ベール対応ベールラッパからなり今回畜産センターで実演された作業の仕組みは次のとおりである。
【刈取り・収穫】
・刈り取り作業
 トラクター+ハーベスター
  上記に伴走し
 トラクター+ロールベーラ
・ハーベスターで刈取りロールベーラでロール状に成形(直径約85cm,重さ約300kg)
・ロールの外周にネット(網)を巻きつけ走りながら畑へ放出
【密封調整】
自走式ベールラップ
・放出されたロールを拾い上げフイルムで密封調整
 今回の作業体系も含め次図の体系が考えられる。

 この開発機による実用化試験は、群馬県他6ケ所で行われておりいづれでも良好な声が上がっている。また、当日は群馬県畜産試験場で昨年10月に調整された、ロールベールサイレージが持ち込まれ開封されたが色、つや、においてもすばらしいものであるとの見解であった。これらの革新的な機械が、今後の茨城酪農、肉用牛の振興に一層の貢献をするものと期待したい。