社団法人 全国養豚協会から県内の全養豚経営者について調査を委託されました。全国の調査結果については全国養豚協会から「養豚基礎調査全国集計結果(平成14年度)」が平成15年7月に発表になっているので、今回は、茨城県内の結果について紹介します。調査基準日を平成14年8月1日現在として、経営状況や家畜排せつ物処理に関する事項を郵送により回答を求めました。 調査回答状況 県内全養豚経営者838戸について郵送による調査を行った結果514戸(回答率61.3%)を得ました。この内、経営継続中と回答の有った生産者は456戸、廃業・休業と回答したものは56戸(前年32戸)あった。畜産を取り巻く環境問題や経営者の高齢化、後継者問題等から廃業に追い込まれる生産者は増加すると考えられるので、経営形態や経営者年齢、後継者有無に係る調査項目についてまとめてみた。ただ、回答率61.3%で県内全体の傾向として捉えるには問題点も多いと考えられるが、無回答324戸も同様な傾向を示すものと推定する。 経営形態 経営継続中で回答の有った456戸についてみると一貫経営が72.4%(330戸)ともっとも多く、次いで繁殖経営15.4%、肥育経営10.3%であった。また構成員からみると家族経営が88.8%(405戸)であり会社経営は6.6%、協業経営は微々たるもので、一貫・家族経営が65.8%(300戸)であった。
後継者(家族経営) 家族経営405戸について、経営者の年齢を60歳までと、61〜70歳、71歳以上の3段階に分類してみた。一般的な現役世代である60歳未満の経営者は405戸中231戸と56.5%を占めており、60歳台が120戸29.3%、71歳以上が56戸13.7%で61歳以上が全体の43.5%を占める現状である。 |
61〜70歳で後継者が決まっていると回答のあったのは、19.2%、71歳以上では12.5%である。 対象となる者はいるが未定と回答があったのは、61〜70歳で17.4%、71歳以上では8.05%である、養豚経営に意欲をもって当たらせるためにも、経営の移譲を進める必要があると考えられる。 今後の養豚農家戸数を見る中で最も憂慮しなければならないのは、後継者はいないと回答があった戸数である。61〜70歳で59.2%、71歳以上で66.1%であり県全体の家族経営の43.5%を占める61歳以上の経営者176戸のうち108戸61.4%が後継者が、ない状況である。10年後、いや5年後の家族経営戸数の減少を考えると厳しい現況であると言えるのでないか。 後継者の年齢で分類してみると、後継者が決まっている、対象となる者はいるが未定と回答のあった者の、いずれの場合も年齢の進むにつれ戸数が減少している。 「対象となる者はいるが未定」の年齢が進むにつれての減少が甚だしい、特に後継者の年齢が空白となっているものは年齢が若く、親の希望的な願望が示されていると考えられる。この傾向は前年の調査でも同様であった。
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