当協会では畜産物の品質向上を図る事業として、牛乳及び乳製品等の原料となる茨城県内で生産された原料牛乳(生乳)の成分的・衛生的乳質について検査を実施している。以下に示す成績は、生産者団体と乳業者との生乳取引に係る平成14年度工場合乳検査成績を集計した。なお、その検査サンプルは県内乳業工場へ出荷した生乳については月間12日間(旬4日)の工場受乳時タンクローリー単位に採取した検体、更に県外乳業工場に出荷した生乳については組合又はクーラーステーションから送乳される当該工場への送乳時タンクローリー単位に月間3回(旬1回)採取した検体とした。 1.検査乳量 酪農を取り巻く厳しい環境や後継者不足等により酪農家戸数及び飼養頭数が減少し、検査乳量は平成8年度の20万2千トンをピークに年々減少の一途をたどり、12年度には一旦回復はしたもののBSE等の影響等もあり14年度は19万1千トンとなった。季節別にみると夏から秋にかけて減少し、冬季は例年より300トンから500トン少ない乳量となった。 1)乳成分 乳成分の検査は光学式乳成分測定機(ミルコスキミルコスキャン)を使 用し、加重平均をとり集計した。 @脂肪率 平成14年度の脂肪率は、11月以降すべての月で4%を超え12月が最も高く4.077%(前年度12月4.046%)、最も低かったのは前年度と同じく8月の3.734%(前年度8月3.767%)であった。また、前年度と比較すると8月から10月に低くなったものの11月以降はすべての月で0.03〜0.05%高く推移した。 |
A無脂固形分率 無脂固形分率は、11月が最も高く8.761%(前年度11月8.760%)、最も低かったのは7月の8.535%(前年度7月8.551%)であったが、1月以降に例年では下がる傾向がみられるが今年度はほぼ同じ値で推移し、3月には前年度に比べ0.09%高くなった。 蛋白質率は、11月が最も高く3.348%(前年度11月3.316%)、最も低かったのは7月の3.123%(前年度7月3.116%)であった。また、前年度と比較すると8月まではほぼ同じように推移したが9月以降すべての月で高くなった。 体細胞数の検査は蛍光光学式体細胞数測定機(フォソマチック)を使用し、乳成分と同じ検体を使って同時に検査した。 3)細菌数 細菌数の検査方法は直接鏡検法(ブリード法)により月間3回(旬1回)実施し、採取した検体をスライドグラスに塗末染色し検査した。集計は県内・県外乳業工場分の成績を算術平均して行った。 平成14年度は各月とも4〜7万/mlで推移し年度平均値は6万/mlとなった。過年度を見ても14年度と同じように細菌数は少なく4〜8万/mlの範囲で推移している。 細菌数の分布は全検体の90%以上が10万/ml以下のランクになっているが、21〜30万/ml、 31万/ml以上のランクにも若干の発生がみられた。 |
表 細菌数 | 単位:万/ml | ||||||||||||
月 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 平均 |
H14年度 | 6 | 5 | 7 | 7 | 6 | 6 | 6 | 5 | 6 | 5 | 4 | 4 | 6 |
H13年度 | 6 | 6 | 8 | 5 | 6 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 6 | 6 |
H12年度 | 7 | 7 | 5 | 8 | 6 | 7 | 5 | 4 | 5 | 4 | 5 | 4 | 6 |
検査成績(工場合乳) | |||||
項 目 | 14年度 | 13年度 | 12年度 | 11年度 | 10年度 |
脂肪率(%) | 3.918 | 3.903 | 3.9 | 3.89 | 3.864 |
無脂固形分率(%) | 8.673 | 8.664 | 8.641 | 8.608 | 8.577 |
体細胞数(万/ml) | 38 | 35 | 35 | 33 | 34 |
細菌数(万/ml) | 6 | 6 | 6 | 5 | 7 |